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遺言書が見つかった時の対応【2026年最新】|検認・種類別の扱い

この記事の内容(全11項目)
  1. この記事の結論(30秒でわかる)
  2. 遺言書の3つの種類
  3. 自筆証書遺言を見つけた時の対応
  4. 公正証書遺言の場合の対応
  5. 秘密証書遺言の場合
  6. 検認の手続き詳細
  7. 遺言書と相続手続きの関係
  8. 遺言書がない場合との違い
  9. 気をつけたい3つの注意点
  10. よくある質問(FAQ)
  11. 参照元・データについて

この記事の結論(30秒でわかる)

  • 遺言書が見つかった時の対応は「開封しない」「共有する」「家庭裁判所に届ける」の3ステップです。自筆証書遺言は開封厳禁で、検認という家庭裁判所の手続きを経る必要があります。
  • 遺言書の種類によって対応が異なります。自筆証書遺言と秘密証書遺言は検認が必須ですが、公正証書遺言は検認不要です。公正証書遺言は公証役場や法務局に記録があるため、確認と謄本請求がメインになります。
  • 遺言書が見つかっても、すぐに開けてはいけません。特に相続放棄を検討している場合は、原則として相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述する必要があり、遺言内容を確認してから判断すべきです。
  • 本記事は一般的な説明です。個別の判断は必ず弁護士・司法書士に相談してください。

親記事は相続手続きの順番、相続放棄と遺品整理の関係は相続放棄と遺品整理、その他の貴重品については遺品整理で貴重品・現金が出てきた場合の対応をご覧ください。


遺言書の3つの種類

遺言書には3つの形式があり、それぞれ発見時の対応が異なります。

自筆証書遺言

遺言者自身が、手書きで内容を記した遺言書です。最も一般的な形式で、故人が自宅で保管していることが多いです。

  • 要件が厳格: 日付、署名、押印がすべて必須
  • 形式要件を満たさないと無効になる可能性
  • 検認が必須: 見つかった遺言書は、そのまま使用できず、家庭裁判所の「検認」という確認手続きを経る必要があります
  • 発見のタイミング: 相続開始後に見つかることが多く、遺品整理の最中に発見されるケースが大半です

公正証書遺言

公証役場(公証人)が立ち会って作成した遺言書です。高齢者が遺言を準備する際によく利用されます。

  • 公証人が内容を確認: 作成時に公証人が要件や内容の妥当性を確認するため、形式不備のリスクが低い
  • 原本が公証役場に保管: 公証役場が保管するため、紛失や改ざんの心配がない
  • 検認不要: これが自筆証書遺言との最大の違い。発見・確認後、そのまま相続手続きに進められます
  • 法務局の遺言書保管制度: 2020年以降、法務局に預けることもできる(特に高齢者向け)

秘密証書遺言

本人が内容を秘密にしたまま、存在と真正性だけを公証人に認証してもらう遺言書です。実務ではほぼ使われません。

  • 稀な形式: 日本の相続実務ではほとんど見られません
  • 検認が必須: 自筆証書遺言と同じく、家庭裁判所での検認を経る必要があります
  • 内容が不明な場合もある: 本人が内容を伏せているため、発見時点では何が書かれているか不明な場合があります
  • 弁護士相談推奨: 発見時は弁護士・司法書士に相談することをおすすめします

自筆証書遺言を見つけた時の対応

自筆証書遺言が見つかった場合、以下の流れで対応します。

ステップ1: 絶対に開封しない

自筆証書遺言を見つけても、その場で開けてはいけません。理由は以下の通りです。

  • 開封により検認効力が失われる可能性: 家庭裁判所での検認前に開封すると、遺言書としての法的効力に問題が生じることがあります
  • 改ざん疑いを招く: 家庭裁判所は検認の際に、遺言書の真正性(本当に故人が書いたか)を確認します。事前に開封・整理されていると、改ざんを疑われることもあります
  • そのままの状態で家庭裁判所へ: 見つけた状態のまま、相続人が家庭裁判所に持参するのが原則です

見つけた直後の保管は、二重の封筒に入れるなど、「発見当時の状態」が保持できるよう心がけましょう。

ステップ2: 見つけたことを相続人全員に報告

自筆証書遺言を見つけたら、すぐに全相続人に知らせます。

  • 発見日時、発見場所、物理的な状態を記録
  • 全相続人に写真・メールで共有(開封前の状態を撮影)
  • 相続放棄の可能性がある場合は、弁護士・司法書士に相談してから対応する
  • 遠方の相続人がいる場合は、郵送または電話で詳しく報告

ステップ3: 遺言書の保管方法

検認申立てまでの間、遺言書をどこに保管するか決めます。

  • 相続人の1人が責任を持って保管するか
  • 弁護士・司法書士に預けるか
  • 金融機関の貸金庫に預けるか

いずれの場合も、「誰がどこに保管しているか」を全相続人が把握することが大切です。

ステップ4: 家庭裁判所への検認申立て

見つけた自筆証書遺言を法的に有効にするため、家庭裁判所に「検認申立て」を行います。詳しくは後述の「検認の手続き詳細」をご覧ください。


公正証書遺言の場合の対応

公正証書遺言が見つかった場合、自筆証書遺言とは異なる対応になります。

公証役場での謄本請求

公正証書遺言は公証役場に原本が保管されているため、遺言書のコピー(謄本)を請求します。

手続きの流れ:

  1. 公証役場に連絡し、故人が遺言を作成しているか確認
  2. 故人の名前、生年月日、住所を伝える
  3. 公証役場の指定する書類(死亡診断書、相続人の戸籍謄本など)を持参または郵送
  4. 謄本(コピー)の交付を受ける

謄本取得に必要な書類:

  • 死亡診断書
  • 相続人の本人確認書類
  • 相続人の戸籍謄本
  • 認め印

謄本があれば、相続手続き(銀行での解約、不動産登記など)に進むことができます。

法務局の遺言書保管制度

2020年7月以降、法務局に遺言書を預けられる制度が始まりました。故人がこの制度を利用していた場合の確認方法です。

法務局での検索:

  1. 法務局に故人の遺言書が預けられているか照会
  2. 預けられている場合、法務局から「遺言書保管事実証明書」が交付される
  3. この証明書と遺言書の写しを取得し、相続手続きに利用

メリット:

  • 検認が不要
  • 遺言書が法務局で厳重に保管されているため、紛失・改ざん対策
  • 安全性が高い

詳しくは相続手続きの順番をご覧ください。


秘密証書遺言の場合

秘密証書遺言が見つかった場合の対応です。

秘密証書遺言は、以下のような特徴があります。

  • 本人が内容を秘密にしたまま、存在だけを公証人に認証してもらったもの
  • 発見時点では内容が不明な場合もある
  • 開封前に家庭裁判所の検認を受ける必要がある

秘密証書遺言を開けるには、家庭裁判所の検認を受けることが必須です。自筆証書遺言と同じ検認手続きが必要になります。

秘密証書遺言は実務では極めて稀なケースです。発見した場合は、すぐに弁護士・司法書士に相談し、適切な対応方法を確認することをおすすめします。


検認の手続き詳細

自筆証書遺言と秘密証書遺言を見つけた場合、必ず家庭裁判所での「検認」を受ける必要があります。

検認とは

遺言書が本当に故人が書いたのか、改ざんされていないかを家庭裁判所が確認する手続きです。遺言の内容が法的に妥当かを判断する手続きではありません。

検認申立ての流れ

ステップ1: 家庭裁判所への申立て

  1. 故人の住所地を管轄する家庭裁判所に、遺言書検認申立書を提出
  2. 遺言書の原本を添付
  3. 相続人全員の戸籍謄本、親族関係図も提出

ステップ2: 必要書類の準備

  • 遺言書検認申立書(様式あり)
  • 遺言書の原本
  • 故人の死亡診断書
  • 故人の出生から死亡までの戸籍謄本(相続人確定のため)
  • 相続人の戸籍謄本
  • 故人の住所を証する書類(住民票など)

ステップ3: 家庭裁判所での検認期日

  1. 申立てから数週間〜数ヶ月後に「検認期日」が指定される
  2. 申立人(通常は相続人の1人)が裁判所に出頭する
  3. 遺言書の物理的な状態(筆跡、紙質、印影など)を確認
  4. 異議がなければ「検認完了」

ステップ4: 検認済証明書の交付

検認が完了すると、裁判所から「遺言書検認済証明書」が交付されます。この証明書があれば、以後の相続手続き(銀行解約、不動産登記)で「検認済みの遺言書」として使用できます。

検認にかかる期間

  • 申立てから検認期日まで: 1〜3ヶ月程度(裁判所の混雑具合で変動)
  • 検認期日での確認: 通常1回で完了(異議がなければ)
  • 検認済証明書の交付: 検認期日から1〜2週間程度

検認にかかる費用

  • 収入印紙代: 相続人1人につき800円程度
  • 郵送料: 数百円
  • 弁護士・司法書士に依頼した場合: 10万円〜30万円程度(依頼先により異なる)

検認後の手続き

検認済みの遺言書があれば、以下の相続手続きに進みます。

  • 銀行・証券会社での解約・名義変更
  • 不動産の登記変更
  • 保険金の請求(受取人指定の確認)

詳しくは相続手続きの順番をご覧ください。


遺言書と相続手続きの関係

遺言書が見つかった場合、相続手続き全体にどのように影響するかを説明します。

遺言書がある場合の相続優先順位

法律上、相続は以下の優先順位で進みます。

  1. 遺言書がある場合: 遺言書の内容が優先されます。遺言書に「長男に不動産を、次男に預金を相続させる」と書いてあれば、その通りに相続が進みます
  2. 遺言書がない場合: 法定相続分に従い、相続人全員で遺産分割協議を行います

遺留分との関係

遺言書があっても、相続人には「遺留分」という最低限の相続分が保障されています。

  • 遺言書に「全財産を長男に相続させる」と書いてあっても、配偶者や次男には遺留分がある
  • 遺留分の割合は民法で定められており、遺言内容に優先する
  • 遺留分の侵害を受けた相続人は、「遺留分侵害額請求」という権利を行使できる

遺言に反する分割合意も可能

遺言書があっても、相続人全員が同意すれば、遺言内容と異なる分割をすることができます。

例えば、遺言に「長男に不動産を、次男に現金を」と書いてあっても、「やっぱり次男が不動産を相続する」という話し合いが全員で成立すれば、その方が優先されます。


遺言書がない場合との違い

遺言書が見つかった場合、その内容を基準に相続が進みます。しかし見つからなかった場合は、法定相続分と遺産分割協議が基準になります。

横にスクロールできます
項目 遺言書がある場合 遺言書がない場合
相続の優先基準 遺言書の内容 法定相続分
相続人の協議 不要(全員同意で変更可) 必須
手続き 検認(自筆証書)または謄本請求(公正証書) 遺産分割協議書の作成
期限 検認申立ての期限なし 相続税申告10ヶ月までに決定推奨
相続人全員の同意 遺言変更には必要だが基本は不要 遺産分割に必須

気をつけたい3つの注意点

1. 自筆証書遺言は開封厳禁、検認が必須

自筆証書遺言を見つけても、決してその場で開けてはいけません。

  • 開封前の状態を保つことが、検認手続きの信頼性につながる
  • 家庭裁判所は遺言書の真正性を判断するため、「いつ、どこで、誰が発見したか」を記録することが重要
  • 検認なしで使用すると、後々その遺言の有効性が争われる可能性がある

相続人全員が「これが本当に故人が書いた遺言だ」と認めていても、法的には検認が必須です。

2. 偽造疑いが生じた場合は弁護士へ

遺言書が本当に故人が書いたのか疑わしい場合、即座に弁護士・司法書士に相談してください。

  • 筆跡が不自然に見えるケース
  • 内容が故人の意思と矛盾しているケース
  • 相続人の1人だけが利益を受ける内容のケース

疑義がある場合、家庭裁判所の検認期日で「異議あり」と主張することができます。その際は弁護士の代理人が必要になることもあります。

3. 相続放棄との関係

遺言書の発見は、相続放棄の判断にも影響します。

  • 遺言書が見つかることで、実は多くの負債があることが判明するケースがある
  • 遺言書がある場合でも、相続放棄は可能(遺言よりも相続放棄が優先される)
  • 原則として相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述する必要がある

遺言書の存在が分かった時点で、その内容(特に負債に関する記述)をよく確認し、相続放棄が必要か判断することが大切です。詳しくは相続放棄と遺品整理をご覧ください。


よくある質問(FAQ)

Q. 自筆証書遺言を家で見つけました。今すぐ開けてもいいですか? A. いいえ。開封せず、そのまま相続人全員に知らせ、家庭裁判所での検認申立てに備えてください。開封前の状態が、検認手続きの信頼性に影響します。発見当時の状態を写真に撮り、記録に残しておくことをおすすめします。

Q. 公正証書遺言が見つかった場合、検認が必要ですか? A. いいえ。公正証書遺言は検認不要です。公証役場で謄本(コピー)を請求すれば、その謄本を相続手続きの書類として使用できます。法務局に預けられている場合も、法務局から「遺言書保管事実証明書」が交付され、そのまま相続に進められます。

Q. 遺言書が見つかっても相続放棄できますか? A. はい。遺言書の有無にかかわらず、相続放棄はできます。遺言書の内容に負債が記載されていたり、不動産にローンが残っていたりする場合、相続放棄を選択することができます。原則として相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述してください。詳しくは弁護士・司法書士に相談してください。

Q. 遺言書の検認申立てにはどのくらい時間がかかりますか? A. 申立てから検認完了までは1〜4ヶ月程度です。家庭裁判所の混雑状況や相続人数により異なります。検認期日は原則1回で済みますが、異議が出た場合は複数回になることもあります。期限に余裕を持って申立てることをおすすめします。

Q. 誰が検認申立てをするのですか? A. 原則として、相続人の誰でも申し立てることができます。通常は検認申立書を作成し、相続人の1人が家庭裁判所に提出します。手続きが複雑な場合や相続人の意見が一致しない場合は、弁護士・司法書士に依頼することをおすすめします。


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