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亡くなった人の書類の保管期間【2026年最新】|税務/年金/保険/契約書の年数別リスト
この記事の内容(全10項目)
この記事の結論(30秒でわかる)
- 亡くなった人の書類は法令で保管期間の目安が決まっており、無計画に処分すると税務調査・保険金請求・年金過払い返納のときに困ります
- 保管期間は「永年」「7年」「5年」「3年」「2年」「1年〜契約期間中」の6段階に分かれ、カテゴリごとに異なります
- 戸籍謄本・遺言書は永年、相続税関係は7年、年金・医療費は5年、生命保険・損害保険は3年が基本ですが、判定を誤ると後々のトラブルにつながります
- 破棄前に「発行時期→カテゴリ→処分方法」の3ステップで確認すれば、重要書類の誤廃棄を防げます
亡くなった人の書類 保管期間の基本ルール
故人の書類をいつまで保管すべきかは、税務調査・相続手続き・保険請求といった後発的な手続きに対応するため、複数の法令で保管期間が目安として定められています。
保管期間が長い理由(法令の根拠)
相続税・所得税関連(7年): 相続税・所得税は原則として法定申告期限から5年が更正・決定の期間ですが、偽りその他不正の場合は7年間まで遡って課税が及ぶことが国税通則法70条に定められています。故人の申告書控え・納付書は7年保管が実務目安です。
年金・健康保険・医療費(5年): 年金の過払い請求時効、健康保険料の還付請求時効、医療費控除の遡及請求はいずれも5年前後の時効期間があります。関連書類がないと手続きが進みません。
生命保険・損害保険(3年): 保険法95条により、保険金請求権は3年で消滅します。故人が複数の保険に加入していた場合、請求漏れ防止のため3年は保管を推奨します。
戸籍謄本・遺言書(永年): 相続手続きの証拠として何度も必要になる可能性があり、また後の親族トラブル防止の観点から、永年保管が実務的です。詳しい書類一覧は遺品整理で必要な書類一覧で解説しています。
【年数別リスト】書類の保管期間 一覧表
永年保管(何度も必要になる可能性が高い)
| 書類 | 理由 |
|---|---|
| 戸籍謄本・除籍謄本(出生〜死亡) | 相続手続き再開時・相続人確定で何度も使用 |
| 遺言書(自筆証書・公正証書) | 遺産分割協議で参照・紛争時の根拠書類 |
| 遺産分割協議書 | 相続人間の最終合意の証拠 |
| 権利証(登記識別情報)・不動産関連書類 | 不動産売却・相続人変更で必要 |
| 相続税申告書・相続税納付書 | 税務調査対応の根拠書類 |
遺言書の扱いは遺言書が見つかった時の対応で解説しています。
7年保管(相続税・税務調査対応)
| 書類 | 根拠・理由 |
|---|---|
| 確定申告書控え(相続年度含む) | 国税通則法70条・偽りその他不正の場合の期間 |
| 源泉徴収票 | 所得税調査対応 |
| 支払調書 | 副業所得・家賃収入の調査対象 |
| 給与明細(相続年度前後) | 直近7年で税務調査に対応可能 |
| 準確定申告書控え | 死亡日から4ヶ月以内の申告書 |
5年保管(年金・健康保険・医療費関連)
| 書類 | 根拠・理由 |
|---|---|
| 年金振込通知書・受給記録 | 遺族年金請求で参照・過払い遡及の時効目安 |
| 健康保険料納付通知書 | 保険料還付請求の時効 |
| 医療費領収書(相続前数年分) | 医療費控除の遡及請求(時効5年) |
| 介護保険負担割合証・給付記録 | 介護給付の請求確認 |
| 銀行通帳(相続完了後) | 遺産分割の証拠として5年保管が実務目安 |
3年保管(生命保険・損害保険)
| 書類 | 根拠・理由 |
|---|---|
| 生命保険証券・保険契約書 | 保険法95条・請求期限3年 |
| 生命保険の支払額通知 | 相続税申告で生命保険の評価に使用 |
| 損害保険証券(火災・地震・自動車) | 請求期限3年・解約返戻金の手続き |
| 保険金振込通知書 | 受取内容の記録 |
保険関連の解約手続きは公共料金・契約の解約手続きで扱っています。
2年保管(消滅時効・公共料金)
| 書類 | 根拠・理由 |
|---|---|
| 公共料金領収書(電気・ガス・水道) | 消滅時効2年・誤請求の証拠 |
| クレジットカード明細(直近2年) | サブスク契約の確認・請求漏れ防止 |
| 携帯電話・インターネット料金領収書 | 過払いチェック |
| 健康保険料還付通知書 | 還付請求時効2年内対応 |
| 銀行振込控え | 金銭のやり取りの証拠 |
1年〜契約期間中(契約書・保証書)
| 書類 | 根拠・理由 |
|---|---|
| クレジットカード契約書 | 相続人の解約手続きで参照 |
| サブスクリプション契約書 | 解約手続きの確認 |
| 賃貸契約書・家賃領収書 | 退去手続きに必須・契約期間+2年目安 |
| 自動車ローン・リース契約書 | 完済まで保管・その後2年 |
| 不動産売却契約書 | 契約期間中は必須・相続完了後も2年 |
処分可能(手続き完了後)
| 書類 | 判断基準 |
|---|---|
| 古い公共料金領収書(2年経過) | 誤請求・重複請求がないと確認後 |
| 古い銀行通帳(相続完了+5年経過) | 遺産分割確定から5年経過で処分可 |
| 古い給与明細(相続完了+7年経過) | 税務調査対象外になってから処分 |
破棄OKと保管必須の判別3ステップ
書類を見つけたときに「今捨てていいか」を判断する実用的な方法です。
ステップ1 書類の発行日・関連時期を確認
- 相続から7年以内の書類: 税務調査の対象になり得る。必ず保管
- 相続から5〜7年前の書類: 相続税申告対象だったなら7年保管
- 相続から10年以上前の書類: 基本は処分可。ただし「遺言」「権利証」「重要契約書」は永年保管
- 発行日が読めない書類は、破棄前に必ず相続人と共有します
ステップ2 カテゴリ別に保管期間をチェック
- 税務・年金・保険: 上記リスト表で保管期間を確認
- 契約書類: 契約期間中は必ず保管・完了後も2年
- 身分関係(戸籍・遺言): 永年保管が鉄則
ステップ3 処分方法を選ぶ
保管を継続する場合
- クリアファイルやボックスに「◯年◯月まで保管」と付箋を貼る
- 毎年1月に期限を確認し、期限満了時に処分
- 相続人が複数いる場合は、処分前に必ず一報を入れる
処分する場合
- 個人情報(銀行口座番号・医療記録・マイナンバー)が含まれていないか最終確認
- シュレッダーまたは家庭の焼却で廃棄
- 処分日・処分内容を記録に残すと後のトラブル防止になります
相続放棄との関係は相続放棄する前に遺品整理してはいけない理由、期限別チェックは死後の必要手続き一覧を参考にしてください。
デジタル書類(PDF・クラウド)の扱いと保管方法
故人のスキャン書類やクラウド上の書類は、紙と異なる工夫が必要です。デジタル遺品全般の扱いはデジタル遺品の整理方法で詳しく扱っています。
スキャン保存のメリット・デメリット
メリット
- 経年で劣化しない
- 複数の相続人で同時閲覧できる
- クラウドバックアップで喪失リスクを下げられる
- 保管場所を取らない
デメリット
- サイバー攻撃・データ消失リスク
- パスワード管理の手間
- デバイス依存(パソコン故障時のアクセス困難)
推奨保管方法
重要度の高い書類(永年・7年保管)
- 主要なクラウドストレージに複数保存(1つに集約しない)
- パスワード管理ツールで情報を家族に共有
- 相続人全員がアクセス可能な家族フォルダを設定
重要度が中程度の書類(5年以下)
- 外付けハードドライブにバックアップ
- ファイル名に「保管期限 ◯年◯月」を明記
デジタル書類の検索性を上げる
- ファイル名を「発行機関_書類種別_年月日」に統一
- フォルダを「身分関係」「税務」「保険」「年金」「契約書」「医療」「その他」に分類
シュレッダー処分と個人情報保護(遺品整理時の実務)
故人の書類を廃棄する際は、個人情報流出リスクがあります。
処分前の個人情報チェック
危険性が高い書類の例:
- 銀行通帳(口座番号・定期預金情報)
- クレジットカード明細(カード番号・利用額)
- 医療関連書類(診断結果・投薬記録)
- 年金関連(基礎年金番号・マイナンバー)
- 保険関連(契約者番号・受取人)
安全な廃棄方法
1. 家庭用シュレッダーでの細断
- ストレートカットではなくクロスカット(細片状)を推奨
- マイナンバー記載書類は特に細断度を上げる
2. 焼却処分
- 家庭用焼却炉がある場合に可能
- 都市部は自治体ルール確認が必須
3. 業者委託
- 古紙回収業者・遺品整理業者へ委託する場合は「個人情報保護契約」の有無を確認
- 費用は業者・量により異なるため、事前に見積を取る
保険証・マイナンバーカードの返却は保険証・マイナンバーカードの返却で扱っています。
相続放棄・限定承認の場合の書類保管(3ヶ月以内の判断材料として)
相続放棄を検討する場合は、書類保管を戦略的に進める必要があります。
相続放棄の期間内にやること
相続放棄は、原則として相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります(民法915条)。この3ヶ月間に、以下の書類を確認して相続するか放棄するかを判断します。
調査対象
- 銀行通帳(プラス財産の有無)
- 借入契約書・督促状(マイナス財産の有無)
- 年金・生命保険関連(給付の有無)
保存方法
- スマートフォンで写真撮影
- クラウドドライブにアップロード
- 日付・内容をメモに記録
放棄決定後の書類処理
相続放棄を申述した場合
- 相続放棄申述受理証明書を取得
- マイナス財産の書類は処分可能(ただし保管継続も可)
- プラス財産の書類は、故人の資産状況の証明として1部保管を推奨
限定承認を選択した場合
- 限定承認申述書・限定承認の効力に関する書類は永年保管
- 限定承認は手続きが複雑なため、税理士・弁護士の指示に従って保管
相続関連の詳細は相続と遺品整理の全体像、順番は相続手続きの順番を参照してください。
保管しないと困る具体シナリオ
実際に書類がなくなると困る典型パターンです。
シナリオ1 税務調査が入った(相続から5年後)
相続税申告から5年経過後、税務署から「相続財産の計算根拠を提示してください」と調査通知が届きます。確定申告控え・銀行通帳・支払調書がないと申告内容を立証できず、追徴課税の対象になる可能性があります。
教訓: 「銀行通帳は古いから」と処分していたため、当初申告額の妥当性を証明できず、追加納税を余儀なくされたケースがあります。
シナリオ2 生命保険の請求漏れ(相続から4年後)
整理中に別の保険会社からの通知を見つけました。「故人が当社の保険に加入していることをご存知ですか」という内容です。保険証券がなく請求方法もわかりません。請求期限は3年ですでに過ぎているケースもあります。
教訓: 保険証券は3年保管が最低ライン。整理段階で存在確認だけでもしておくと、請求期限切れによる消滅を防げます。
シナリオ3 年金の過払い返納(相続から2年後)
年金事務所から「年金受給停止の届出がなく、複数月分を誤払いしました。返納手続きをお願いします」と連絡が来ることがあります。年金振込通知書がないと誤払い金額の検証ができません。
教訓: 古い年金通知書を処分していたため、誤払い額を検証できずに指摘額をそのまま返納したケースがあります。
まとめ
亡くなった人の書類は、単なる「古い書類」ではなく、税務調査・相続手続き・保険金請求といった後発の問題に対応するための証拠です。保管期間を無視して処分すると、数年後に大きな損失につながる可能性があります。
実務的な方針
- 見つけた書類は軽視しない: 古く見える書類でも、法令上の保管期間があるかを先に確認
- 相続人全員で共有する: 重要な書類を見つけたら、相続人全員に知らせて処分判定を委ねる
- 期限を記録する: ファイルボックスに「◯年◯月まで保管」を明記し、期限到来時に処分
- 判定に迷ったら専門家へ: 「捨てていいか」の判断に迷ったら、税理士・弁護士に短時間相談するだけで後のトラブルが防げます
遺品整理の際、書類処分は後回しにしても構いません。まずはスキャンで保存し、法令上の保管期間が確定してから処分するのが安全です。書類処分は最後の1つと考えてください。
その他の遺品整理の進め方は遺品整理とは?完全ガイド、期限別の手続きは死後の必要手続き一覧、相続全体の流れは相続手続きの順番、相続放棄の詳細は相続放棄と遺品整理をあわせてご覧ください。
参照元・データについて
本記事は書類の保管期間に関する一般的な説明であり、税務相談・法律相談ではありません。個別の判断は必ず税理士・弁護士にご相談ください。
保管期間は以下に基づきます: 相続税(国税通則法70条)、所得税・給与所得(国税通則法70条・所得税法225条)、年金時効(国民年金法・厚生年金保険法)、健康保険料還付(健康保険法116条)、医療費控除(所得税法120条)、生命保険請求期限(保険法95条)、消滅時効(民法166条・167条)。戸籍謄本は相続手続き再開のリスクに備え永年保管を推奨します。
香川県在住の方は、各種手続きについて高松市役所・各市町役場の案内をあわせて確認してください。
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